概要
2024年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5を発表する。(選定は三澤公認会計士事務所選定委員。対象は上場企業が当該期間にプレスリリースしたM&A・アライアンス案件。)
第5位
オプティマスグループが豪自動車販売のFerntree Gully Auto Sales Pty Ltdの株式取得(子会社化)
㈱オプティマスグループ(東証STD9268)は、オーストラリアにおける自動車販売を手掛けるFerntree Gully Auto Sales Pty Ltd(2024年6月期純資産1,345百万円、総資産4,937百万円、売上高18,221百万円、営業利益587百万円)の株式を取得し子会社化。オーストラリアのヴィクトリア州メルボルンで事業展開する同社を傘下に収めることで、グループのディーラーネットワークを拡充。同地域での優位性を強化し、グローバル市場での競争力を向上させることを目指す。
第4位
コンコルディア・フィナンシャルグループが不動産担保融資の三井住友トラスト・ローン&ファイナンス㈱の株式取得(子会社化)
㈱コンコルディア・フィナンシャルグループ(東証PRM7186)は、不動産担保融資専門の三井住友トラスト・ローン&ファイナンス㈱(2024年3月期純資産80,820百万円、総資産464,674百万円、売上高18,702百万円、営業利益10,333百万円)の株式を取得し子会社化。コンコルディア・フィナンシャルグループは、金融ニーズの多様化に対応するため、新たな顧客層の開拓や地域社会課題の解決を目指す。特に首都圏を中心に営業シナジーを発揮し、不動産担保金融領域での成長を狙う。
第3位
ROXXが消費者金融のアイフル㈱と資本業務提携
㈱ROXX(東証GRT241A)は、消費者金融を手掛けるアイフル㈱の子会社であるAGキャピタル㈱(2024年3月期純資産257百万円、総資産4,855百万円、売上高274百万円、経常利益▲166百万円)と資本業務提携。ノンデスクワーカー向け転職プラットフォームを運営するROXXがアイフルと協力することで、所得向上や事業シナジーを強化。社会課題解決型ビジネスの展開を図る。
第2位
大黒屋ホールディングスがフリマアプリの㈱メルカリと業務提携
大黒屋ホールディングス㈱(東証STD6993)は、フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を手掛ける㈱メルカリ(東証PRM4385、2023年6月期純資産55,228百万円、総資産415,292百万円、売上高172,064百万円、営業利益17,023百万円)と業務提携。メルカリのプラットフォームを活用した新たな買取サービスの導入により、リユース市場の拡大を図る。本提携により大黒屋の仕入力を強化し、顧客満足度の向上を目指す。
第1位
東京海上ホールディングスが総合建設コンサルタントのID&E ホールディングス㈱の株式取得(子会社化)
東京海上ホールディングス㈱(東証PRM8766)は、コンサルティング事業、都市空間事業、エネルギー事業を手掛けるID&E ホールディングス㈱(東証PRM9161、2024年6月期資本合計94,097百万円、総資産206,386百万円、売上収益158,983百万円、営業利益14,124百万円)の株式を取得し子会社化。ID&Eの顧客基盤と東京海上の保険サービスを融合させ、価値提供領域の拡大及び事業ポートフォリオの高度化を図り、顧客ニーズに応じた付加価値の高いサービスを提供する。
2024年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5
- 第1位:東京海上ホールディングスが総合建設コンサルタントのID&E ホールディングスの株式取得(子会社化)
- 第2位:大黒屋ホールディングスがフリマアプリの㈱メルカリと業務提携
- 第3位:ROXXが消費者金融のアイフル㈱と資本業務提携
- 第4位:コンコルディア・フィナンシャルグループが不動産担保融資の三井住友トラスト・ローン&ファイナンス㈱の株式取得(子会社化)
- 第5位:オプティマスグループが豪自動車販売のFerntree Gully Auto Sales Pty Ltdの株式取得(子会社化)
総評
2024年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングは、多様な業種での革新的な取り組みが目立った。第1位:東京海上ホールディングス。保険事業に、全くの異業種である建設コンサルティングを加えることで新たなサービス領域を開拓するという、大胆かつ意欲的な挑戦。第2位:大黒屋ホールディングス。互いに中古品ビジネスを手掛けるも、フリマアプリと質屋の融合という異色のバリューチェーンを実現。第3位:ROXX。非正規、非大卒者の転職支援と消費者金融のタッグで顧客基盤を有効活用、テクノロジーと金融を組み合わせた新時代のビジネスモデル構築に挑戦。第4位:コンコルディア・フィナンシャルグループ。金融ニーズの多様化に対応し不動産担保金融領域での成長を追求、メガバンクの顧客基盤を取り込み、首都圏中心に営業シナジーを極大化。第5位:オプティマスグループ。オーストラリア市場での優位性を強化するため、独自のバリューチェーンモデルを展開、ディーラーネットワーク拡充でグローバル市場での存在感示す。各社の取り組みが産業界全体にニューウェーブをもたらす可能性がある。上記M&A・アライアンスを受け、同業他社の動向も要注目。各社の今後の動向と更なるM&A・アライアンス施策から目が離せない。
以上