概要
特種東海製紙㈱(東証PRM3708)は、2023年5月31日、2026年3月期を最終年度とする3か年の第6次中期経営計画(2023〜2025年度)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、営業利益50億円(2023年3月期実績16億円)、経常利益80億円(同40億円)、ROE7.0%(同5.7%)、とした。
施策
- 製紙3事業(産業素材、特殊素材、生活商品)は、基盤強化とともに成長領域への投資を重点的に実施。
- 新たな事業領域(環境関連事業)へ資源を重点的に投下し、次のコア事業へ拡大。
- 環境関連事業は、今後もリサイクル技術の進化と深化、静岡県を中心とした周辺エリアへの拡大を着実に進め、グループの成長を牽引していく。循環型社会の形成に貢献すべく、トーエイ㈱のマテリアルリサイクル技術を起点に、リサイクルの高度化(第3の環)への進化を加速する。製紙工場で使用する非化石燃料の供給を通じて、脱炭素社会の実現にも寄与する。
- ウイスキー事業の拡大。井川社有林の自然資本を活かした事業としてブランドを確立。6次中計期間中に第二熟成庫の建設を予定。第二蒸留所の建設も視野に拡大可能性を追求。
- 販売を順調に伸ばしている「TT-TOKRON®」で協働した東レグループとともに合成繊維の湿式不織布の製造・販売事業へ本格参入する。成長が期待されるモーター等の分野でも採用を目指し、6次中計最終年度での増産投資につなげる。
- フィブリック事業はセルロースナノファイバーを使用したリチウムイオン二次電池向けセパレーターとして本格採用。成長が期待される同分野での採用を拡大。更に需要開拓を進め、量産機の導入を検討。
- これまで培ってきた紙化、紙の機能化のノウハウを活かして、酸素や水蒸気を通さないバリア性、クッション性、偽造防止、着色などの技術を付与し、プラスチックの代替となるパッケージ素材製品を提供する。新たな潜在ニーズを掘り起こすべく、高機能・高付加価値素材の開発に注力。
- 成長戦略、事業構造転換を強力に推進するため、成長施策推進センターを設置し、社長自ら陣頭指揮を執る。顧客ニーズと同社保有の経営資源を活かしたシーズとのマッチングを推し進め、製紙事業での新製品開発のみならず、新たな成長分野の開拓に取り組む。
- 需要が縮小しているファンシーペーパーは生産体制の最適化を図ることとし、2023年度末を目途に岐阜工場での生産を終了する予定。三島工場へ集約することで特殊素材事業の効率をあげ基盤を強化する。
所感
同社は、2023年4月に、プラスチック・金属・ガラスなどの再資源化等ならびに家電リサイクル、太陽光発電事業、航空機組立請負、下水道メンテナンス等を手掛けるトーエイ㈱の買収を発表、環境関連事業を第4の柱として位置付け2030年度には営業利益20億以上を目指している。また、フィブリック事業はリチウムイオン二次電池向けセパレーター事業を軌道に乗せ量産機導入に向けた基盤を構築する。コア事業である既存製紙3事業で培ったノウハウや資産を活用し、成長領域への資源投入を積極的に推進することで、同社の更なる成長が期待される。
以上
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