スカイマークが事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月)を発表

概要

 スカイマーク㈱(東証GRT9204)は、2023年6月27日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容

 航空事業。定期航空運送事業、不定期航空運送事業、旅客運送付帯業務他。

強み
  • 国内高収益路線に注力。羽田路線RPK(Revenue Passenger-Kilometers)構成比 57.4%(FY2018)。国内シェア第3位(FY2021)。
  • 高品質なサービスを身近な価格で提供。定時運航率本邦5年連続第1位(FY2017-2021)。顧客満足第1位(FY2022)。
  • 単一機材オペレーション。B737-800(177席)× 29機(FY2022)。
中期経営計画

 2028年3月期の数値目標は、事業収益1,300億円(2023年3月期実績846億円)、営業利益150億円(同34億円)、とした。

リスク
  • 同社は羽田空港を発着する路線を中核として事業展開を図っているが、同空港の発着枠については、航空法による混雑飛行場に係る特例の適用を受けている。同社が利用可能な同空港の発着枠は、現在、国内線38枠であり、将来において発着枠の見直し・再配分等が行われた際に、同社の利用可能な発着枠が減少した場合又は想定通りに増加しなかった場合には、同社の事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性がある。また、同社における既存発着枠の活用が計画通りに進まない場合についても、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社の燃料費は原油価格水準の影響を直接的に受けている。ロシアのウクライナ侵攻等の地政学的要因、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、為替相場、産油国の政治情勢及び石油精製能力等の影響に伴う原油価格水準の動向によって、燃料費が上昇する可能性がある。同社は、このような燃料費に係る原油価格については商品スワップ取引を行い、変動リスク低減に努めているが、今後想定を上回る急激な原油価格の上昇が発生した場合、航空需要の縮小により想定を上回る減便が発生することによりオーバーヘッジとなった場合は同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社の主な費用のうち、航空機リース及び航空機整備の大部分並びに購入予定の航空機の売買契約について、外貨建で取引を行っているため、為替変動による影響を受けている。航空機リースに係る契約保証金等については外貨建債権を保有している一方で、同社は為替変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っている。しかしながら、為替予約により為替変動の影響を緩和することは可能であっても、すべてを排除することは不可能な状況である。このため外国為替の大幅な変動が生じた場合には、費用の増減、若しくは外貨建債権債務の評価損益の発生等により、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 国内路線における航空機材について、同社は国内路線においてはボーイング737-800型機(177席)を使用機材(現在ボーイング737-800型機29機を導入)として事業を展開しているが、ボーイング737-800型機は2019年に生産が終了していることから、新型機材としてボーイングMAXシリーズの導入が決定している。しかしながら、航空機メーカーの技術上・財務上・その他の理由により、新型機材の導入が遅延した場合、同社の機材計画は変更を余儀なくされ、中長期的な事業に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により甚大な影響を受けた。今後も新型コロナウイルスの感染が再度拡大した場合や新たな感染症が発生・蔓延した場合は、人々が外出を控えることによる利用客数の減少や、顧客の航空利用の意欲の低下等により同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。また、毒性の強い感染症に同社社員が大量に感染し運航等業務に支障をきたす事態となった場合は、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、現時点で税務上の繰越欠損金が存在するため、法人税等が軽減されている。今後当該繰越欠損金が解消され、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が発生する場合において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。また、仮に繰越欠損金を利用するのに十分な課税所得がない場合、繰越欠損金による控除を受けられないまま、繰越欠損金を課税所得から控除できる期間を経過する可能性がある。現在における同社の資本金の額は1億円であり、同社は、法人税法上の中小法人等として、過去10年以内に生じた繰越欠損金について課税所得の全額まで控除が可能となるなど、税法上、いわゆる中小企業向けの措置の適用対象となっている。同社の資本金の額は引き続き1億円となる見込み。しかしながら、今後、同社の資本金の額が増加し、これに応じた資本金の減少がなされない場合、また、上記の中小企業向けの税制措置について、廃止、変更その他の理由により、上記措置の全部又は一部が同社に適用されなくなった場合、同社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。
所感

 同社は、本邦最大である羽田空港を拠点として、FSC(Full Service Carrier)、LCC(Low Cost Carrier)とは異なる独自のポジショニング戦略を展開しつつ、FSCと同レベルの高品質なサービスをより安く提供するなど、高い顧客満足度を実現させている。今後、羽田・神戸・福岡路線や茨城等の独自路線など同社が強みを有する路線の更なる強化を図るなどにより、同社の更なる成長が期待される。

事業計画及び成長可能性に関する資料

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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