アドバンスト・メディアが事業計画及び成長可能性に関する事項(2024年6月)を発表

概要

 ㈱アドバンスト・メディア(東証GRT3773)は、2024年6月28日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容
  • サービス事業:企業及び企業内のユーザーや一般消費者へAI音声認識アミボイス(AmiVoice®)をサービス利用の形で提供。
  • プロダクト事業:AI音声認識アミボイスを組み込んだアプリケーション商品をライセンス販売。
  • ソリューション事業:AI音声認識アミボイスを組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発。

コンタクトセンターを主な顧客とし、通話の全文リアルタイムテキスト化、管理者による複数通話、同時モニタリング、感情解析などで応対品質向上を支援。地方自治体、各種民間企業を顧客とし、会議や講演の音声を自動テキスト化し、自治体・民間企業のRPA化を促進する音声認識文字起こしサービスを提供。病院、診療所、放射線科、調剤薬局向けに、電子カルテや読影レポートなど、各種医療文書の作成を音声認識で行うサービスを提供。製造・物流・金融・製薬等、各種民間企業を顧客とし、音声認識機能をWebサイトやアプリケーションに実装するためのAPI開発ツールを提供。台湾・香港・中国企業向け、音声認識APIの提供。建設・不動産業向けに建設現場における検査結果をはじめ、建築工程管理を支援する音声認識ソリューションや「仕上げ検査」や「配筋検査」、議事録作成代行業務等を請け負う人材を提供。自社開発のタイ語音声認識エンジンを活かした音声認識IVRや、コンタクトセンター向けソリューションをタイ全土に提供。自治体を中心に会議議事録作成を受託し、音声の書き起こし業務を提供。

強み
  • 豊富な導入実績:2万件以上の利用実績に基づく、多様なビジネスシーンのデータを蓄積。豊富なソリューションをラインアップし、AI音声認識に関する知見・経験が豊富な販売力を有す。
  • 高い認識率:AI音声認識をアップデートし続ける基礎技術開発力により、常に最先端の技術を研究し、最新のディープラーニング技術を実装。音声認識クラウドサービス市場及びソフトウェア市場の双方においてトップシェアを誇る。
  • 自然な話し言葉の認識を実現:発話スピードやイントネーションへ柔軟に対応。日常会話のような、自然で良い発話でも高い認識精度を実現。
  • 幅広い業種と専門用語に対応:各業界に精通しているパートナーとの強固な連携による幅広い業種の専門用語に対応する音声認識エンジン。個別カスタマイズも可能。
中期経営計画

 2027年3月期の数値目標は、売上高100億円(2024年3月期実績60億円)、営業利益25億円(同13億円)、とした。

リスク
  • 市場展開から市場拡大の遅延:音声認識市場開拓を市場展開から市場拡大へと進めて行くために、新規ビジネスの導入により現行ビジネスを展開フェーズから拡大フェーズに移行する際に、新規ビジネスの導入に想定以上の時間を要し遅延する可能性がある。
  • 新製品及び新技術の開発:今後も音声認識に関する技術の革新と向上が必須であるが、開発に資金や時間が想定以上に必要となった場合、同社グループが想定する売上計画が達成できなくなり、先行的に支出された研究開発費等の回収が困難になった場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 音声認識技術に代替する新技術の誕生:音声認識技術に代わる新しいインターフェース等の誕生、普及により、同社の技術優位性がなくなる等、同社が明確な競争優位性を確保できなくなった場合には、同社グループの経営に影響を与える可能性がある。
  • 競合他社:現時点では同社の製品は、国内外の競合他社の製品と差別化されると考えているが、将来的に高い技術力および開発力を有する競合企業が出現する可能性は否定できず、競争の激化によって同社の優位性が失われた場合、また、競合他社が他の有望な音声認識市場を創造開拓し、同社グループが後塵を拝した場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
M&Aニーズ
  • 音声・言語以外のAI技術、音声・言語関連のAI技術
  • ソフトウェア開発
所感

 同社は、“HCI(Human Communication Integration)の実現”をビジョンとして掲げ、AI音声認識アミボイスの製品やサービスを業務に利用することで、作業時間の短縮などの仕事の効率化に加え、パートナーの存在による仕事の快適化をも可能とし、仕事に声を使うことが当たり前となる「仕事における新たな日常」の社会への浸透に取り組む。新たなイノベーションによる幅広いビジネスシーンとユーザーの拡大を図る新規ビジネス戦略とAI領域及びビジネスの拡大、製品開発力の向上を目的としたM&A戦略に取り組むことで事業の拡大を目指す。今後の同社の取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

事業計画及び成長可能性に関する事項

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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