東陽倉庫が資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表(2023年11月)

概要

 東陽倉庫㈱(東証STD9306)は、2023年11月9日、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表した。

現状評価
  • ROE5.9%(2023年3月期)
  • 株主資本コスト7.6%
  • エクイティ・スプレッド▲1.7%
  • ROIC2.3%(2023年3月期)
  • WACC4.5%
  • エンタープライズ・スプレッド▲2.2%
  • PER8.10倍(2023年3月期)
  • PBR0.47倍(2023年3月期)

 同社は、2019年3月期から2023年3月期までの間、ROEと株主資本コスト、ROICとWACCの比較において、資本収益性は、資本コストを上回ることができていない状況にある。近年、ROEは、収益性の向上等に伴い上昇基調にあるが、財務の健全性も高まっていることもあり、株主還元の推進等により、更にROEを向上させる余地はある。一方、PERは下降基調にある。これは、EPSが堅調に推移しているものの、投資家や株主の中長期的な期待成長率を満たしているものではないこと、及び、2022年10月からの、TOPIXへの段階的組み入れ比率の変更が、要因であると推定している。この結果、同社は、PBRが1倍を下回る状況が続いている。倉庫・運輸関連事業は、社会インフラの重要な一翼を担っている産業であり、設備投資の回収に長期間を要し、かつ、労働集約型産業である。また、保管、流通加工、配送、海外展開等、事業の多角化のため、多方面にわたる投資が必要な産業である。これらの事業特性も、市場における評価に影響を与える要因であると考えている。

方針・取り組み
  • 積極的な設備投資による収益及び利益の拡大。同社の2023年3月期の経営成績は、過去四半世紀において、営業収益が第4位、営業利益が第3位、経常利益及び当期純利益が第2位となり、堅調な水準を維持することができた。同社は、2023年7月に愛知県小牧市の営業拠点において物流施設を増強しており、加えて、2023年12月には愛知県知多市に新たな営業拠点の新設に着手する計画であるなど、積極的な設備投資を行い、更なる業容の拡大を目指す。
  • 株主還元。同社は、総還元性向を概ね30%とする方針を採用しており、安定的な株主還元を充実させることにより株価の向上を目指す。配当については、2024年3月期において7期連続の増配を予定している。また、株主への利益還元と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするため、必要に応じて自己株式の取得を行う。なお、2023年3月期において、取締役会決議に基づき60万株の自己株式を取得している。
  • 政策保有株式の縮減。同社は、取引先等との関係強化、取引の維持拡大等の観点から中長期を展望し、取引先等の株式を保有している。同社は、取締役会において定期的に保有効果を検証しており、保有効果が希薄化したと判断された銘柄を縮減する方針を定めている。なお、2021年3月期においては上場株式2銘柄の全株式を、2022年3月期においては上場株式1銘柄の全株式をそれぞれ売却している。

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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