概要
フォースタートアップス㈱(東証GRT7089)は、2024年6月26日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
- タレントエージェンシー:スタートアップ企業等への人材紹介サービス、VCとともに起業をサポートする起業支援サービス、コンサルティングサービス。
- オープンイノベーション:日本のスタートアップ・エコシステムの発展を目的としたサービス。スタートアップエコシステム拠点都市8拠点中6拠点で事業受託・協力機関参画。毎月7,000件以上のデータ更新により収集したスタートアップ24,000社の情報をもつメディア/金融機関/行政機関/グローバルDBへの情報提供、大学との共同研究を実施。国内外の投資家・エコシステムビルダーを巻き込むイベントを定期的に開催。
- ベンチャーキャピタル:タレントエージェンシーで人材支援実績があるスタートアップ企業に対してヒトとお金を組み合わせた「ハイブリッドキャピタル」を目指した投資を実行。
強み
- スタートアップ企業のミドル・ハイレイヤー人材を中心に支援。
- 人材支援を行うスタートアップ企業はいずれ上場していく。上場後も関係を継続することで、徐々に顧客層が右側に広がっていく。
- 未公開情報を可視化しシナジーを創出する。
- スタートアップの起業家・経営陣・VCや有識者が頻繁に来社する。
- 政府・官公庁・自治体・大学・経済団体等と更なる連携を深め、産官学を通じてスタートアップエコシステムの発展に貢献。
中期経営計画
2026年3月期の数値目標は、売上高5,000百万円(2024年3月期実績3,416百万円)、とした。
リスク
- 国内外の経済情勢や景気動向の悪化、地政学リスク、金融資本市場の変動の影響等により、スタートアップ企業数やスタートアップ企業に対する資金供給が著しく減少した場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- 有料職業紹介事業は参入障壁が低く各分野にて多数の同業他社が存在し、厚⽣労働省の調査によれば、有料職業紹介事業の民営職業紹介事業所数は継続的に増加傾向にある。今後、同業他社が同様のサービスを展開し、競争が激化した場合等、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- タレントエージェンシーサービスでは、求人企業に求職者が入社後、一定期間内に自己都合退職した場合には成功報酬の一部を返金する契約を締結し、サービスを提供している。将来的に何らかの理由により、早期自己都合退職者が増加した場合には、収受した報酬の返金が発⽣し、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- 自社媒体を有して求職者を確保する登録型ではなく、他社が運営する媒体を利用して求職者を確保するハンティング型を採用している。人材データベース運営会社の方針変更や関係性の悪化等により取引関係に変化が⽣じた場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社グループは、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚⽣労働大臣から許可を受けている。将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等に該当した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがある。その場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- 多数の個人情報を取り扱っているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されている。外部からの不正アクセスや、同社グループ役職員の故意または過失により個人情報が流出した場合には、同社グループへの損害賠償請求やブランド価値の毀損、社会的信用力の低下により、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
- ベンチャーキャピタル事業において、投資先企業の事業計画の見直しや実績の乖離によって、同社子会社を通じて組成したファンドが保有する株式の評価減により、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、創業以来7期連続増収中であり、8期連続増収を目指す。増収には社員数拡大が必須であり、2025年3月期末時点で250名体制への拡大を目指す。また、Pre-IPOフェーズのシェア拡大(Pre-IPO時の人材支援が、将来の大型求人獲得の可能性を秘める)、人材育成(求職者対応及び求人企業担当の両方を担うヒューマンキャピタリストの人材育成)の強化等を通じて、経営基盤を強化する。同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆
以上