概要
㈱トライト東証GRT9164)は、2023年7月24日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
医療福祉事業(医療福祉業界向け人材紹介・人材派遣サービス、ダイレクト・リクルーティング型採用支援サービス、介護施設向けICT サービス等)、非医療福祉事業(建設業界向け人材紹介・人材派遣サービス)。
強み
- 高い求職者獲得能力により蓄積された豊富なデータベース(新規参入者が容易に獲得出来ない約170万人の豊富な求職者データベース)。
- 医療福祉の現場に精通した人材(契約施設のニーズを正確に把握するために必須となる医療福祉業界の知識が豊富な営業社員の確保及び約7万施設との信頼関係)。
- 高い営業生産性の実現(徹底的なKPI管理と標準化された営業プロセス、成果主義の企業文化とインセンティブ設計を有機的に結合することで高い営業生産性を実現)。
中期経営計画
2023年12月期の数値目標は、売上高52,676百万円(2022年12月期実績44,195百万円)、営業利益7,276百万円(同5,959百万円)、とした。
リスク
- 新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本を含む世界における消費活動が低迷すると同時に企業活動も低調となり、同社グループの人材紹介・人材派遣に対する需要も大きく影響を受けた。需要の減少や法人顧客における採用コスト削減ニーズの高まり等、感染症の影響が継続的に維持された場合には、同社グループの今後の事業成長が妨げられる可能性がある。
- 同社グループは、いかに求職者及び法人顧客に対して、それぞれのニーズや嗜好に合ったサービスを提供できるかにかかっており、キャリアアドバイザーは適切な候補を提案しマッチングさせるため、多種多様なニーズを適切に理解することが求められる。近年は有料職業紹介サービスの認知度が上がってきており、また、DR型採用支援サービスについても、一般職種に続き医療福祉領域でも市場で認知され始めている。求職者や法人顧客のニーズや嗜好の変化を適時適切に把握し、適応することができない場合には、競争力やシェアを失う可能性がある。
- 同社グループが成長に向けて企業基盤を拡充するためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠。今後必要な人材が確保できない場合、又は優秀な人材が社外へ流出した場合は、同社グループの事業又は経営成績に影響を与えるおそれがある。
- 同社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要がある。特に、同社グループの運営する人材紹介事業・人材派遣事業においては、厚生労働大臣より許認可を取得するとともに、当局の監督を受けている。当局から業務停止命令等の処分を受ける場合には、中核となる事業を営むことができなくなる可能性や同社グループの社会的信用を害する可能性がある。
- 同社グループの派遣スタッフが派遣先で業務上、又は通勤中に負傷し、疾病にかかり、障害を負い、又は死亡した場合には、労働基準法上、使用者である同社グループは補償義務を負う。万が一このような事象が発生した場合には、同社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、人材サービス及びデジタルソリューションを通じて、医療福祉従事者が働きやすい職場環境構築を支援している。今後は、ICTソリューション及びデータ活用サービスの迅速な拡大・展開に向け、M&A・事業提携・共同研究等の機会を積極的に追求する方針を打ち出しており、デジタルソリューション等の強化拡大等を通じて同社の更なる飛躍が期待される。
以上
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