概要
ヤーマン㈱(東証PRM6630)は、2023年6月13日、2028年4月期を最終年度とする5か年の中期経営計画「Going Global Strategy」(2023年5月~2028年4月)を発表した。
2028年4月期の数値目標は、売上高700億円(2023年4月期実績429億円)、営業利益率10%以上(同14.3%)、とした。
施策
- ブランディング強化:新カテゴリーはまず国内へ展開後、海外へ順次展開を強化していく。特に新カテゴリーであるヘアケア・シェーバーについては、育成ブランドとして注力していく。
- 美容機器と化粧品の融合:美容機器の性能をより向上させる当社オリジナルの機能性化粧品の拡充を図り、リピート商材販売の基盤を構築していく。
- 産学連携による共同研究:大学との共同研究により、同社製品の具体的な有効性と安全性を検証するほか、今後の製品開発につながる独自のメカニズムの解明を目指す。研究により得られた結果は、論文発表などを通じて美容技術開発に還元し、美容機器業界のさらなる発展につなげる。
- 新カテゴリー創出:美容医療の市場規模(医療施設収入高ベース)は、約4,000億円規模に達しており、今後も拡大基調で推移する見通しの有望な新カテゴリー。美容皮膚科等の医療機関内で使用する「医療機器」に加え、医療機関専売の家庭用美容機器や化粧品の販売も視野に入れる。口腔洗浄器を皮切りに、国内・海外ともに伸長しているオーラルケアのカテゴリーに進出。国内では歯科医院ルートを開拓し、製品ラインナップを強化する。 国内での販売実績をもとに、グローバル展開を目指す。
- フェイス・リフト・ジム店舗拡大:「表情筋研究所」で培った技術や新製品をフェイス・リフト・ジムから発信し、得られた顧客データを蓄積してフィードバックすることにより、さらに技術を進化させる。積極的に店舗展開を拡大していくことで、このサイクルを加速させていく。2023年中に都内に出店予定のヤーマン初の大型フラッグシップストアにも併設の計画。
- グローバル展開:中国は家庭用医療機器として販売できるようNMPAの認証登録を推進する。ヤーマンのブランド力を活かしたライブコマースなどによる販売を引き続き強化し、新カテゴリーの展開にも取り組む。アメリカは美顔器でのFDAの認証登録を推進する。FDA認証製品・家庭用美容機器を積極的に展開し、欧米市場でのブランド認知度向上を目指す。
所感
同社は、2020年10月に、表情筋や笑顔にまつわる秘密を専門家協力のもと科学的にひも解き楽しみながら表情筋への理解を深めていくプロジェクト「表情筋研究所」をローンチ。本中期経営計画では、表情筋研究所に100億円投資し、技術開発や研究開発の強化に取り組む方針を打ち出している。新カテゴリーを創出し、リピート商材となる化粧品の売上拡大等を図ることで、同社の更なる飛躍が期待される。
以上
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