ブロックチェーン・Web3業界の戦略的M&A「ビジネスモデル創造へ」

貪欲かつ挑戦的なアライアンス続出

ブロックチェーン・Web3業界は高成長が期待される産業界屈指の先端分野であり、足元では、各プレイヤーがビジネスモデルの創造・強化と競争優位性の確保等を狙って、続々とアライアンス(業務提携、資本提携、M&A)を進めている。ブロックチェーン・Web3ビジネスをテクノロジー面から支えるセルサイドは、パブリックチェーンを提供する企業、そのスケーラビリティを提供する企業、各種アプリケーションを提供する企業、インターフェースとしてのウォレットや取引所機能を提供する企業、全般的なコンサルティングを提供する企業等から成るレイヤー構造であり、各社各様のアライアンスを実行することでテクノロジーの更なる強化等を進めている。一方の、上場企業(事業会社)、レガシー産業企業を含む一部バイサイドは、セルサイドや関連企業とのアライアンスを積極的に進めることでブロックチェーン・Web3テクノロジーをいち早く社会実装、自社の既存ビジネスモデルをバージョンアップすることによって、新規ビジネスモデル創出、業務効率化、コスト削減等を進めている。ブロックチェーン・Web3業界が、押しも押されもせぬ産業界屈指の先端分野である以上、何もかもを自社で開発・調達するというオーガニック思考は一切通用しない。「自社は何をしたいのか」、「自社に足りないものは何か」を見極め、他社に先駆けた積極的なアライアンスを実行することが、勝敗を分けるカギと言っても過言ではない。

ブロックチェーン技術が産業構造を変革化

ブロックチェーン技術は、一つ一つの取引履歴(ブロック)が1本の鎖(チェーン)のように繋がる形で情報を記録する技術。過去の特定の取引履歴を改ざんするには、それ以降に発生した全取引について改ざんが必要であり、 改ざんが極めて困難であるため、安全性が高いとされる。加えて、ブロックチェーン技術は、全ての完全な取引データ(ブロックチェーン)を幅広い参加者が同時に管理・保存するシステムによって成り立っており、参加者の共有・合意等によりデータの透明性及びシステム稼働の連続性等が図られる仕組み。そのため、ブロックチェーン技術は、有形資産(土地建物等)・無形資産(各種コンテンツ・ライセンス等)等取引、決済・送金・経理、本人確認・重要書類の電子化、製品・商品等のトレーサビリティ等に活用、応用されることが期待されており、既に、様々なサービス・機能がマーケットに送り出されている。総務省「情報通信白書令和6年版」によると、Web3の市場規模は、グローバル市場が2021年5兆円→2027年67兆円、日本市場が2021年0.1兆円→2027年2.4兆円、に急拡大することが見込まれている。ブロックチェーン技術は、あらゆる産業に急速に浸透し、産業構造を変革化することが予想される。

取引、管理分野でビジネスモデルが劇変

ブロックチェーン技術の導入により、ビジネスモデルの劇的な変化が見込まれる分野の筆頭は「取引」分野と考えられる。金融・デジタル資産取引、動産・不動産取引、IP・コンテンツ取引、その他各種商取引等は、ブロックチェーン技術の導入により、データや記録の透明性・信頼性が高まり、これまでの仲介機能(第三者による仲介サービス)が一切不要になる可能性すらある。トランザクションコスト等が大幅に削減されることでコスト削減が図られ、併せて、取引の流動性が高まることも期待される。また、取引物の資産性が担保されることで、これまで取引が困難であった各種アイテム・コンテンツ等の取引も活発化し、新たなビジネスチャンス拡大を含む取引分野のすそ野拡大が見込まれる。「管理」分野の高度化も見逃せない。政府・自治体が担う各種法人・個人情報の効率的な管理が図られる他、農業製品、工業製品等の生産・流通・在庫・販売(輸出入含む)等サプライチェーンに関する管理から、各種インフラ産業等に係る膨大な顧客取引・顧客情報管理に至るまで、幅広い産業分野で管理の高度化及び管理コストの削減が期待される。

ビジネスモデルの高度化へ先手を打つ

ブロックチェーン・Web3業界は、技術革新、アカデミアとの連携や、先端テクノロジーを有するエンジニアの確保等を含め、アグレッシブかつダイナミックに動いている。そして、ブロックチェーン・Web3業界でゲームチェンジャーのポジションを確保し、先進的なビジネスモデルを確立するためには、異業種を含む関連企業との積極的なコミュニケーション及び情報収集が欠かせない。特に、他社とのアライアンスは、自社に必要な以下のケイパビリティ等を確保し、Win-Winの関係でビジネスモデルを一気に高度化させる絶好の機会となる。

  • テクノロジー確保(人材確保)。
  • 投資資金・信用確保。
  • 販路確保。
  • 各業界に関するナレッジ・商慣行の理解。
  • テクノロジーとリアル(レガシー産業)・メタバースの融合。
  • 新規ビジネスモデルの企画・実行。

ブロックチェーン・Web3業界のアライアンスは、今後更に加速することが予測される。関連する上場企業やベンチャー・スタートアップ企業のアライアンス動向が大いに注目される。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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