概要
㈱ユカリア(東証GRT286A、2023年12月期純資産11,764百万円、総資産50,904百万円、売上高18,054百万円、営業利益1,899百万円)と、セントケア・ホールディングス㈱(東証PRM2374、2024年3月期純資産16,068百万円、総資産30,987百万円、売上高54,057百万円、営業利益3,034百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。
ユカリアの事業内容
- 医療経営総合支援事業:医療経営コンサルティング(事業計画・経営管理体制、資金計画、資金繰管理、病床機能転換支援、臨床業務の効率化等)、資金調達支援、運転資金の貸し付け・保証業務、診療報酬債権のファクタリング、医療機関関連不動産のセール&リースバック、院内業務のDX化支援、人事労務体制の最適化支援(人材採用、人事支援)、調達・購買体制の最適化支援(医材・医薬品・医療機器の卸売・販売・リース)、医療施設等の建築・建替・改修コンサルティング、建築・構造物の企画設計。
- シニア関連事業:入居相談・施設紹介、高齢者向け介護施設の運営。
- 高度管理医療機器事業:コンタクトレンズの製造・販売。
- その他事業:治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービス。
セントケア・ホールディングスの事業内容
- 介護サービス事業:訪問介護サービス、訪問入浴介護サービス、居宅介護支援サービス、訪問看護サービス、福祉用具貸与・販売サービス、通所介護サービス(デイサービス)、認知症対応型共同生活介護サービス(グループホーム)、小規模多機能型居宅介護サービス、特定施設入居者生活介護サービス(介護付有料老人ホーム)、短期入所生活介護サービス(ショートステイ)、住宅リフォームサービス、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス、看護小規模多機能型居宅介護サービス、サービス付き高齢者向け住宅、在宅ホスピス(住宅型有料老人ホーム)。
- その他:就労移行支援事業、印刷物の製作等のアウトソーシング事業、介護保険請求ASPシステム販売、介護ロボットの企画・販売。
想定される提携効果
- 介護・医療のトータルサポート体制の強化:ユカリアが持つ医療機関への経営支援と、セントケアが持つ在宅・施設介護ネットワークを統合することで、患者の退院後のシームレスなケアを実現。医療機関と介護施設間の連携が円滑になり、在宅復帰支援の強化につながる。
- 介護施設の経営支援:ユカリアの医療経営コンサルティングノウハウを活かし、セントケアが運営する介護施設の経営効率を改善。特に、DXソリューションの活用による業務効率化、コスト削減、人材採用の最適化が期待できる。
- DX推進によるサービス品質向上:ユカリアが開発する医療・介護DXツール(電子カルテデータ分析、医療従事者向け情報共有システム)を、セントケアの在宅介護サービスに導入することで、サービスの質を向上。訪問看護や介護スタッフ間の情報共有をリアルタイム化し、ケアの質を高める。
- 介護人材の確保・育成:介護業界全体で人材不足が深刻化する中、ユカリアの人事・労務管理支援サービスを活用し、セントケアの人材確保・育成戦略を強化。リクルート支援や研修制度の構築を支援し、離職率の低減を目指す。
- 高齢者向けサービスの相互提供:ユカリアのシニア向けサービス(入居相談・施設紹介)と、セントケアの訪問介護・福祉用具販売を連携させ、入居相談時点から最適なケアプランを提供。シニア向け生活支援の選択肢を広げ、利便性の向上が期待できる。
所感
ユカリアとセントケア・ホールディングスの提携は、医療と介護を一体化させた包括的な高齢者支援モデルの実現につながる。特に、DX技術を活用したサービスの効率化や、人材確保・育成の強化によって、双方の事業基盤を強化でき、医療・介護の現場における業務負担軽減や、サービス品質の向上が期待される。両社の今後の戦略的な取り組みが大いに注目される。
以上