概要
㈱Jストリーム(東証GRT4308)は、2023年5月31日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
各種インターネット動画配信用ソフトウェアを用いて、インターネット上で映像や音声等のコンテンツ配信サービス。動画プラットフォーム、CDNサービス、ライブ配信サービス、映像制作、ウェブサイト制作/運用、システム開発。
強み
- ライブ配信の安定性、映像品質。自社CDNを利用したネットワークとプラットフォームの一元管理による高いサービス安定性。大規模配信への対応力。複数のパートナーCDNと連携したマルチCDNソリューションの提供。
- 会場等各種手配、講演者接遇等を含めた、トータルでのイベント運用能力。ウィズ・アフターコロナ環境や既存のWeb講演会に慣れた顧客・ユーザー医師のニーズを捉えたサービス・見せ方 等の提案力。
- 配信だけでなくWEB制作・映像制作・運用までワンストップ対応できるソリューション(顧客負担の軽減/対応の安心感)。配信だけでなくウェブサイトの運用まで含めた総合受託により、万一のトラブル発生時にも迅速な原因究明と対応が可能。
- 日本の企業ユーザーに最適化された動画配信プラットフォーム管理画面。アフター含むケア。サポートチームの手厚い対応。国内系企業ゆえのサポート、サーバー配置。
- 動画共有サービスと異なりクローズドサービスであるためセキュリティや他動画に流出する懸念が低い。
- 企業が実際に動画を利用する上で参考になる成功事例の豊富な蓄積。創業以来の実績。
中期経営計画
2024年3月期の数値目標は、売上高13,320百万円(2023年月期実績12,501百万円)、営業利益1,665百万円(同1,663百万円)、とした。
リスク
- 製薬メーカーをめぐる事業環境の変化に伴う製薬マーケティング予算の縮小。コロナ流行を契機にWeb系にシフトした情報発信のリアル回帰。ネットコンテンツ配信利用の伸び悩み。
- 競争企業によるシェア拡大。TV局出資を受ける企業による案件受注。大規模配信ネットワークを保有しないが低価格な動画配信PFを提供する競合による逸失。
- 動画配信プラットフォーム機能の開発リスク。サービス開発の遅延。大規模配信、放送同時配信関連機能の開発リスク。
所感
同社は、医薬医療製造・卸、金融・保険業等に対するEVC(Enterprise Video Communication)によるマーケティングのデジタル化支援、および、TVキー局等に対するOTT(Over The Top)によるビジネスモデルの変革支援に注力している。足元では、医薬領域が一部大口顧客の販促活動の縮小等により伸び悩むも、放送・メディア領域及びその他企業領域が検討している。同社は、医薬領域、その他企業領域、放送・メディア領域の各領域で異なるサービス提供者と競合しており、各領域において顧客ニーズを捉え、競合との差別化を図れるかどうかが鍵となる。同社の今後の挑戦が注目される。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所