概要
オリエンタル白石㈱(東証PRM1786)は、2023年5月16日、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(2023-2025 年度)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上高730億円(2023年3月期実績614億円)、営業利益62億円(同52億円)、当期純利益45億円(同39億円)、ROE9%以上(同9.7%)、とした。
施策
- PC土木(新設橋梁他):公共工事におけるシェアと実績の拡大。総合評価力、技術提案力の強化、特化工法の採用拡大、モノレールや高速道路6車線化など難易度の高い工事での実績。
- ニューマチックケーソン/一般土木:ニューマチックケーソンの橋梁と治水設備等への事業拡大。継続的な設備投資による技術と施工能力の向上、技術開発による遠隔化自動化など生産性と安全性の向上、大型工事の期ズレ影響その影響緩和を図る技術営業強化による工法の採用拡大。
- 補修補強:事業量の確保と収益力の維持を図る。特化工法の開発と採用拡大、事業量の確保とともに特殊技術によるブルーオーシャンの開拓、長期大型工事の戦略的受注。
- PC建築:プレキャストコンクリートのすう勢の中でのPC構造の関係を拡大する。元請下請連携強化による積極的な大型プロジェクト等への参画、顧客基盤の強化と積極的な提案。
- 鋼構造物事業:新設橋梁と補修補強のバランスの中で売上・利益の拡大を図る。総合評価力と設計・施工体制の強化、IH塗膜剥離工法など鋼構造周辺事業への注力。
- 港湾事業:港湾、土木の中小工事で受注・売上を確保するとともに今後本格化するカーボンニュートラルポートプロジェクトへの準備を進める。地域に密着した事業展開、グループのシナジーを活かした橋梁事業への展開。
- 新規・周辺事業:新規・周辺事業の領域拡大を図ることで基幹事業の拡充、連結事業の強化にも寄与。床板、PCコンクリート製品の外販、地域に強みのある会社をグループシナジーで更に強化、橋梁の点検・診断、補修、補強、鋼橋塗装塗替、橋梁インフラ維持管理で官民連携、ニューマチックケーソンやPC技術を他社連携のもと海外で活かす、循環型農業(アクアポニックス)システム外販。
所感
同社は、本中期経営計画に併せ、伊藤忠商事㈱との資本業務提携を発表、伊藤忠商事は同社筆頭株主となる。本件業務提携によって、同社は、伊藤忠商事の豊富な取引顧客網、ネットワーク及び資機材ビジネスのバリューチェーンを活用し、伊藤忠商事は、同社のプレストレストコンクリートやニューマチックケーソン等の技術及びインフラ整備に対する知見や実績を活用。両社は、橋梁インフラメンテナンス領域においての事業展開やアライアンスの構築、インフラ分野におけるPPP(Public Private Partnership)及び PFI(Private Finance Initiative)における協業、製品・技術の海外展開等において、シナジーを発揮。併せて、床板の外販強化、工場製品の外販強化、特化工法の採用の拡充、ニューマチックケーソン顧客基盤拡大、建築事業の連携相手拡大、資材調達条件の改善、企業買収戦略のノウハウ提供支援、新規事業領域への支援(海外、環境、港湾他)、戦略企画の助言・サポート、人財育成支援等で協力関係を構築することで、更なる飛躍が期待される。
中期経営計画(2023-2025 年度)の策定に関するお知らせ
以上
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