概要
㈱gumi(東証PRM3903)は、2023年6月9日、2026年4月期を最終年度とする3か年の新中期経営計画(2024年4⽉期~2026年4⽉期)を発表した。
2026年4月期の数値目標は、営業利益80~100億円(2023年3月期実績4億円)、とした。
施策
- モバイルオンラインゲーム事業:他社有力IPの開発を中心に大ヒットタイトルの創出、収益力の拡大を目指す。オリジナルに関しては、タイトルを厳選のうえ協業スキームや製作委員会スキーム等も活用し、リスクコントロールを徹底。継続的に年2~3本程度(開発受託含む)の新規タイトルを市場に投下。
- ブロックチェーン等事業(エンターテイメント領域):現在は市場黎明期ではあるものの、ブロックチェーンゲームの最適な型を早期に確立し、ヒットタイトルの量産を目指す。モバイルオンラインゲーム事業での豊富な経験、ナレッジを活かした自社での開発に加え、出資や協業、共同開発等を戦略的に実行し、有力なブロックチェーン企業との友好なパートナーシップを構築。市場成長期にはIPタイトルが増加してくるため、コンテンツプロバイダーとの連携を強化のうえ、新規タイトルの開発を積極的に推進。
- ブロックチェーン等事業(金融領域・アセットマネジメント):既に数億円規模で安定収益を創出しているノード事業への資金投下を強化することで、収益力を更に拡大。トークンそのものの運用も開始。良質で安定したトークンを組み入れたポートフォリオ運用により、高い運用利回りの実現を狙う。SBIの金融知見と同社のトークン運用ノウハウを掛け合わせた金融サービスの立ち上げ等、新たな収益軸となるビジネスの創出を目指す。
- ブロックチェーン等事業(金融領域・投資):ファンド投資においては、gCC1号及びVR Fundからの投資回収を行いつつ、gCC2号やDecima Fundからの投資活動を通じ、継続的な収益創出に向けた基盤を構築。本体投資においては、主としてWeb3 Startupsを通じスタートアップ企業の支援を実施、日本の起業家の輩出と育成を図りつつ投資リターンの獲得を目指す。SBIが有する暗号資産取引所との連携等も通じ、投資先のトークン上場をサポートすることで、投資収益の最大化のみならずWeb3領域における同社グループの確たるブランディングを構築。
- ブロックチェーン等事業(金融領域・プラットフォーム):SBI及びスクウェア・エニックスとの事業連携のもと、Web3市場の成長に向け、ブロックチェーンサービスをシームレスに提供できるプラットフォームの構築を検討(ゲームやノードに加え、事業シナジーが見込まれる様々な事業領域での展開を検討)。早期収益化を目指すも、事業活動の進捗は市場の状況により変動するため、本中期経営計画期間中は保守的に投資フェーズにあると判断。
所感
同社は、2023年1月に、SBIホールディングス㈱及び㈱スクウェア・エニックス・ホールディングスと資本業務提携し第三者割当増資を実行した。SBIホールディングスとの業務提携の内容は、ブロックチェーン関連コンテンツの開発・運用・販売における提携、Web3.0領域のネットワークの相互活用による提携、金融商品開発・販売における提携、Web3.0領域を取り巻く事業環境の整備推進に向けた提携。スクウェア・エニックス・ホールディングスとの業務提携の内容は、モバイルオンラインゲーム及びブロックチェーンゲームの開発・配信に係る提携、ブロックチェーンゲーム専用プラットフォームの設立検討に向けた提携、Web3.0領域のネットワークの相互活用による提携。調達資金約70億円の具体的な使途は、トークン発行型ブロックチェーンゲーム等の開発・運用資金30億円、Web3.0関連有力企業への戦略投資資15億円、モバイルオンラインゲームの開発・運用資金15億円他。同資本業務提携等を通じて、同社の今後の更なる挑戦が期待される。
以上
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