概要
㈱JVCケンウッド(東証PRM6632)は、2023年4月27日、前中期経営計画「VISION2023」の前倒し達成と、昨今の地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等を踏まえて、2026年3月期を最終年度とする3か年の新中期経営計画「VISION2025」を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上収益3,700億円以上(2023年3月期実績3,369億円)、事業利益率5.0%以上(同4.7%)、ROE10%以上(同18.2%)、総還元性向30~40%、とした。
施策
- 市場の変化に対応した車載用スピーカー・アンプ・アンテナ・ケーブル・レンズを軸に事業拡大(海外OEM拡大)
- 北米中心に無線システム事業を成長牽引事業として利益の最大化(利益創出ドライバー)
- ゲーム・アニメ事業を強化、既存メディア事業は事業の質的転換を推進(事業の質的転換)
所感
同社は、事業の成長性や資本効率性を考慮した事業ポートフォリオの最適化を推進し、企業価値最大化とPBR1.0倍超の実現を目指す方針を打ち出している。無線システム事業や海外OEM事業を成長牽引事業とする一方で、業務用カメラ事業や業務用システム事業を再構築事業と位置付けており、事業ポートフォリオの早期最適化が鍵となる。尚、同社は、同社新医療事業及び、同社とシスメックス㈱がバイオデバイスの開発・製造を目的に共同設立したクリエイティブナノシステムズ㈱の同社保有株式分をシスメックスへ譲渡する検討を開始した。
以上
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