概要
㈱大林組(東証PRM1802)は、2023年11月13日、ニュージーランドで再生可能エネルギー発電事業を手掛けるEastland Generation Limited(2023年3月期総資産356,612千ニュージーランドドル、売上高51,085千ニュージーランドドル、EBIT4,531千ニュージーランドドル)の株式を取得し子会社化すると発表した。
狙い
Eastland Generationは、ニュージーランドにおいて地熱、水力等の再生可能エネルギ―発 電所(総発電規模63MW)の開発・運営を行っている。2030年までに再生可能エネルギー利用割合を100%に引き上げる同国政府方針により、同国内の再生可能エネルギーの需要拡大が見込まれていることか ら、Eastland Generationは開発許可取得済みの発電所案件(総発電規模54MW超)等の開発を進め、再生可能エネル ギー発電量を2027年までに100MW超に拡大する方針を掲げている。 同社は、Eastland Generationの株式を取得することで、同社が日本国内及びニュージーランドで培ったノウハウやネットワークをEastland Generationと共有し、Eastland Generationが展開する再生可能エネルギー発電事業の更なる成長につなげる。また、同社がニュージーランドにおいて計画しているグリーン水素製造に必要な再生可能エネルギー確保に向け、Eastland Generationと協働する。
所感
同社は、カーボンニュートラルとウェルビーイング(安全・安心・快適・健康)をビジネス機会とする新たな顧客提供価値の創出を目指し、脱炭素化に向けた顧客ニーズに対応し、建設事業、開発事業との相乗効果の創出(EPC、PPA、コンサルティング等)、アジアでの再エネ関連事業の検討、非FITでの電力供給への取組み、水素を利活用した建設業における脱炭素(水素混焼建機等)、国内外の水素関連実証事業を踏まえた事業等を進めている。本件M&Aは、同社グリーンエネルギー事業の競争力強化に資するものであり、同社の更なる飛躍が期待される。
- 挑戦度☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
ニュージーランドの再生可能エネルギー発電事業者 「Eastland Generation 社」の株式取得等について
以上
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