概要
日特建設㈱(東証PRM1929)は、2024年12月9日、気泡コンクリートの現場施工、地盤改良工事の施工、その他工事の施工及び工事用資材(起泡剤等)の商品の販売等を手掛ける麻生フオームクリート㈱(東証STD1730、2024年3月期純資産986百万円、総資産2,980百万円、売上高3,139百万円、営業利益▲182百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、麻生フオームクリートの普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
狙い
- 営業力強化に伴う新規案件・取引先の獲得:日特建設は全国に営業網を保有しているため、麻生フオームクリートが日特建設グループに入ることで営業力の強化を通じて、麻生フオームクリートは案件規模の拡大や新規取引先からの案件獲得が可能になる。一方、麻生フオームクリートは日特建設が保有していない気泡コンクリート事業という特殊工法を保有しており、日特建設が進出していなかった新たな市場の開拓なども可能になる。また、日特建設及び麻生フオームクリートが保有する情報収集網や採算性試算などのノウハウを共有することで、より効率的に案件情報を獲得することができる。
- 技能労働者の確保・スキルアップ:技能労働者不足が建設業界を取り巻く喫緊の課題である中、本取引を通じて日特建設の求人・採用活動におけるノウハウを共有し、麻生フオームクリートの採用力を向上させることができる。育成においても、日特建設及び麻生フオームクリートの人材教育・育成ノウハウを共有することで、両者において、より技術力の高い人材の育成も実現できる。また、日特建設及び麻生フオームクリートの技術者交流を通じて、相互の施工への理解度向上や技術レベルの向上、技術部門の交流を通じた工法の改良・新工法の開発などのスキルアップも実現できる。
所感
日特建設は2023年5月に中期経営計画を公表し、事業戦略上の5つの課題として、「人的資本の確保と育成」、「生産性の向上」、「安全衛生・品質管理の強化」、「サステナビリティ経営の推進」、及び「新分野への挑戦」を掲げている。また、営業面では、法面工事に比べ施工効率のいい地盤改良工事、今後市場が拡大する構造物補修工事の拡大等を目指している。本件M&Aは、日特建設のソリューション強化に資すると共に、麻生グループの経営効率化に繋がるものであり、日特建設の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆
麻生フオームクリート株式会社株券等(証券コード:1730)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
以上