伊藤忠商事と三菱商事の戦略的M&Aから読み解くセクタートレンド(2024年)

伊藤忠商事㈱(東証PRM8001)のM&A

㈱ファミリーマートの完全子会社化 (2020年)

小売事業の強化とデジタル戦略の推進。ファミリーマートのデジタル基盤を活用し、EC事業とのシナジーを図る。

伊藤忠テクノソリューションズ㈱の追加買収 (2021年)

ITサービス事業の強化。ITインフラやソリューションサービスの提供能力を高め、デジタルトランスフォーメーション推進。

三菱商事㈱(東証PRM8058)のM&A

Sembcorp Industries、千代田化工建設㈱と水素バリューチェーン事業共同開発(2021年)

エネルギー・トランスフォーメーションに向けた本事業の取り組みを加速化させ、シンガポールの長期CO2排出量削減、持続可能な未来に向け世界の脱炭素化に貢献。

マルハニチロ㈱とのサーモン陸上養殖事業会社設立(2022年)

陸上におけるサーモンの持続可能で安定的かつ効率的な生産体制の構築、地産地消型ビジネスモデルの実現、低・脱炭素化に貢献。

両社の類似点と相違点

類似点

両社ともデジタル技術の導入とITサービスの強化を図るためのM&Aを積極的に実施し、デジタルトランスフォーメーションを推進。また、海外市場でのプレゼンス拡大、グローバル展開を狙った戦略的な買収を進めている。

相違点

伊藤忠商事は小売とITに重点を置く一方、三菱商事は食品や化学事業への投資が目立つ。伊藤忠商事はデジタルとヘルスケア分野に積極的であり、三菱商事は伝統的な重厚長大産業と新興市場のバランスを重視する傾向がある。

所感

両社のM&A戦略は、それぞれの強みと企業ビジョンに基づいており、伊藤忠商事はデジタル革新と消費者ビジネスに重点を置き、三菱商事は多角化と持続可能性に焦点を当てている。これにより、両社は市場での競争力を高めつつ、持続可能な成長を追求している。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

関連記事

Random

  1. イーレックスが中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を発表

  2. EMシステムズが薬局向け業務システム開発販売の㈱ユニケソフトウェアリサーチの株式取得(子会社化)を発表

  3. 住友林業が集合住宅開発の米国JPIグループの株式取得(子会社化)を発表

  4. スズケンが新中期経営計画「Chapter One」を発表

  5. トランザクション・メディア・ネットワークスが事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月)を発表

  6. テノ.ホールディングスが児童発達支援・放課後等デイサービス等運営の㈱ウイッシュの株式取得(子会社化)を発表

  7. ナイスが「中期経営計画2023」を発表

  8. Orchestra Holdingsがゲーム開発の㈱ランド・ホーの株式取得(子会社化)を発表

  9. 日本トランスシティが新中期経営計画(2023年4月~2026年3月)を発表

  10. ABEJAが事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月)を発表

Random

  1. INTLOOPがシステム開発のディクスホールディングス㈱の株式取得(子会社化)を発表

  2. 地盤ネットホールディングスが中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を発表

  3. ニッタが資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表(2023年11月)

  4. 日本新薬が第七次5ヵ年中期経営計画「For Global Growth Beyond the Cliff」を発表

  5. インフォメティスが建設コンサルタントの㈱建設技術研究所との業務提携を発表

TOP