概要
㈱早稲田アカデミー(東証PRM4718)は、2023年5月19日、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(2024年3月期-2026年3月期)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上高353億円(2023年3月期実績308億円)、営業利益30億円(同24億円)、ROE12.0%(同13.0%)、とした。
施策
- 標準校舎(中高受験集団指導型)の着実な伸⾧:新規開校は年間1校程度に留め、既存校の内部充実をさらに推し進めることで1校あたりの在籍生徒数を増やす。開校から⾧期間経過している校舎は、当該の物件が老朽化する前に積極的に移転リニューアルし、環境面の改善を進める。講師・事務の育成を強化し、授業サービス品質の更なる向上に取り組み、顧客満足度を高め、地域の信頼を確固たるものにする。取引先協力会社(教材仕入先・模擬試験等仕入先・成績データ処理分析依頼先・広告代理店・コンサルティング会社等)との連携をより一層強化し、独自の高い付加価値のあるサービス提供を、さらに拡充させる。
- 大学受験部の新領域を開拓:1学年1万人以上いる卒塾生へアプローチし、2025年3月期より本格的に新たな授業サービスの提供を開始することで、塾生数及び売上の増進を図る。
- 個別指導部門の拡充を加速:4年後の100校体制の確立に向けて、校舎展開を促進させる。首都圏における、難関校受験対策の個別指導としてナンバー1の評価を頂けるよう邁進する。
- 人材育成の強化:内部リクルートの強化(非常勤職員から正社員への登用・卒塾生の非常勤職員としての採用)、採用手法の改善(募集広告の効率向上・本社と校舎一体となった採用手順の強化)。経営方針への理解促進・参画意識の向上(伝達機会の充実・デジタルツールの活用)、成⾧を実感できる制度設計(成⾧ロードマップの作成と育成計画の設定等)。可視化されたデータに基づく最適パフォーマンスを実現する配置、高い専門性を持つ多様な人材の採用と配置、女性活躍の促進。
- DX戦略:現状、手作業で集約せねばならない様々な模擬試験のデータを自動的に集約・分析し、卒塾生の成績データ、入試結果とも照らし合わせた結果を表示する成績管理システムの運用を開始することにより、これまで以上に的確な面談や進路指導を促進する。独自に開発した各種システム(ERPシステム、プラットフォーム、成績管理システム等)を業界内に提供することで、同社の課題解決だけにとどまらず、業界のさらなる成⾧への貢献も視野に入れた開発を進める。
所感
同社2023年3月期は、小学部が牽引することで塾生数が過去最高を更新した。足元では従業金給与のベースアップ、DX戦略を推進するなど、コロナ禍がもたらした社会変容へ適応し、サービス品質向上による顧客満足度の向上を図る。今後は、塾生数が伸び悩む高校部の立て直し等を進めるとともに、成長が続く小学部の更なる高付加価値化を実現させることで、同社独自価値である「ワセ価値」の更なる普及促進が期待される。
以上
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