ナカノフドー建設が資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表(2023年11月)

概要

 ㈱ナカノフドー建設(東証STD1827)は、2023年11月27日、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表した。

現状評価
  • ROE5.2%(2023年3月期)
  • 株主資本コスト5.1%
  • エクイティ・スプレッド0.1%
  • PBR0.35倍(2023年3月期)

 同社は、現時点での株主資本コストを約5.1%と想定している。これに対し、2022年度での同社のROEは5.2%となっていることから、現時点では資本コストを上回る資本収益性を達成している。ただし、同社のROEは、2019年頃までは安定して8%を上回る状況であったものの、近年徐々に低下してきている。同社では、ROE低下の主な原因を建設事業における営業利益率の低下にあると分析している。特に2020年以降は、新型コロナウイルスの影響が海外建設市場で顕著となり、海外建設事業の営業利益が大きく低下したことが影響していると考えている。一方で、同社のPBRは2008年頃から継続して1倍を下回る状況が続いており、直近の2022年度末では0.35倍となっている。同社は、資本収益性という観点から、建設事業における営業利益率の改善を目指し、国内建設事業の効率化による生産性の向上、海外建設事業の強化、土木事業の拡大によって、安定的に利益を創出できるよう組織改革を進めている。しかし、現在取り組んでおりますこれらの改革や施策の効果が発揮されるまでには時間を要することから、同社の事業戦略に関して投資家からの十分な評価が得られておらず、その結果としてPBRが1 倍を下回る状況が続いていると考えている。

方針・取り組み
  • 生産性向上とコスト削減を目指し、社内で蓄積された技術力を継承する体制を整備するとともに、他社とのコンソーシアムによる技術開発への取り組みにも力を入れる。
  • 建設事業の安定化のため、人財の獲得に重点を置き、採用活動を強化する。また、建設事業の品質を確保するとともに、国内外社員の高い定着率を維持するため、社内教育や研修等を充実させる。
  • 業務フローの見直しとDXの推進、及び現場作業の仕分けと内製部署によるサポート体制の整備を行うことで、業務の効率化を図る。
  • 海外建設事業の強化のため、拠点ごとの特徴を生かした事業の拡大を行うとともに、海外拠点においても人材は財産と捉え、スタッフの研修を充実させる。
  • 土木事業の拡大のため、国内外の拠点ネットワークを生かしたM&Aの検討を積極的に行う。
  • 今後成長が期待できる再生可能エネルギー事業への投資を行い、事業ポートフォリオの強化とCO2排出量削減への貢献をする。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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