Finatextホールディングスが事業計画及び成⻑可能性に関する事項(2024年6月)を発表

概要

 ㈱Finatextホールディングス(東証GRT4419)は、2024年6月27日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容
  • 金融インフラストラクチャ事業:金融サービス運営に必要な基幹システムをクラウド上でSaaS型システムとして提供。証券インフラストラクチャビジネスは、証券インフラ「BaaS」の運営及びパートナー企業への提供。保険インフラストラクチャビジネスは、「Inspire」を中心に展開。小額短期保険業者をパートナー企業として、新規保険商品の導入を短期間で実現し、全てのプロセスをオンラインで完結。クレジットインフラストラクチャビジネスは、中小企業向けに提供する「BizGrowth(ビズグロース)」を中心に展開。さらに、クレジットインフラ「Crest」を基盤とし、クレジット関連のサービスを提供。
  • フィンテックソリューション事業:金融機関向けにデジタルトランスフォーメーションおよびデジタルマーケティングの支援を提供。ソリューションビジネスは、金融機関に対して、デジタルトランスフォーメーションを支援。モジュール化されたソリューションを用いて顧客の要件に迅速に対応するだけでなく、顧客のニーズに合わせて、ビジネス企画から開発、マーケティングまでEnd-to-Endのソリューションを提供。デジタル金融の統合基盤技術が採用され、貯蓄、資産運用、保険などの金融サービスをワンストップで提供可能。マーケティングビジネスは、PCやスマートフォンを通じて、潜在顧客にアクセスしたい金融機関の販促活動を支援。金融関連サービスに関心を有する潜在顧客を集客。サービス内容には、金融に関する学習、デモトレーディング、金融商品の比較などが含まれる。
  • ビッグデータ解析事業:ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援。データライセンスビジネスは、ビッグデータを保有する企業のデータを解析し、その結果をライセンスとして外部に販売。現在はPOSデータやクレジットカードデータを中心に、データホルダーとベンダーシェア契約を結び、解析されたデータを国内外の機関投資家に提供。データ解析支援ビジネスは、金融機関や事業会社に対して、保有するビッグデータを活用したマーケティングやサービス改善、業務効率向上を支援。
強み
  • 金融インフラストラクチャにおいて、クラウドサーバや最新の開発手法を活用することで、複雑なシステムを低コストで効率的に開発・運営することが可能。オンラインでサービス提供していく上では、運用コストが低く、改善スピードが早く、外部連携が容易であることが重要。このため、既に基幹システムを保有している既存金融機関も、オンライン用の基幹システムとして、別建てで同社の金融インフラストラクチャを採用するケースもある。
中期経営計画

 2025年3月期の数値目標は、売上高7,627百万円(2024年3月期実績5,375百万円)、営業利益686百万円(同204百万円)、とした。

リスク
  • 許認可の取り消し:同社グループ各社において、保険業法に基づく「主要株主」、金融商品取引法に基づく「第一種金融商品取引業者」、「第二種金融商品取引業者」及び「投資運用業者」、保険業法に基づく「少額短期保険業者」、貸金業法に基づく「貸金業者」の登録を受けており、かかる許認可(登録)及び各規制法の遵守は、同社グループの事業運営上、重要な事項である。今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、同社社グループの業務に支障をきたすとともに、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 金融庁からの処分:関東財務局から金融商品取引法第29条に基づく第一種金融商品取引業者及び第二種金融商品取引業者の登録を受け、金融商品取引法等の法令・規制等を遵守し事業を行っている。金融商品取引業については、金融商品取引法第52条第1項及び第4項若しくは同法第53条第3項、同法第54条により登録の取消しとなる要件が定められており、諸法令等に違反する事象が発生した場合、行政指導・業務停止・登録取消等の行政処分を受ける可能性がある。
  • システムトラブル:プログラムの不具合、人為的ミス、不正アクセス、自然災害等の諸要因により、システム障害や情報漏洩が発生した場合には、同社グループへの信頼や企業イメージの低下や相当な費用負担により、同社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
所感

 同社は、「金融を“サービス”として再発明する」ことをミッションとして掲げ、クラウド技術が普及する中でいち早くクラウドベースの基幹システムを開発しており、次世代クラウド基幹システムの提供を通じて、金融業界の産業構造を「垂直統合型」から「水平統合型」へ転換することを目指す。成長戦略として、当面は、金融インフラストラクチャの新規パートナー獲得によるシェア拡大が最重要としており、技術力の強化と共に、同社の資本業務提携を含む新規パートナー獲得への取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

事業計画及び成長可能性に関する事項

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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