概要
凸版印刷㈱(東証PRM7911)は、2023年5月16日、2026年3月期を最終年度とする3か年の新中期経営計画を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上高18,100億円(2023年3月期実績16,388億円)、営業利益1,100億円(同766億円)、ROE5.0%(同4.5%)、とした。
施策
- 情報コミュニケーション事業:競争優位な5つの重点カテゴリー(Hybrid BPO、セキュアビジネス、マーケティングDX、デジタルコンテンツ、製造・流通DX)での売り上げ規模の拡大。重点カテゴリー間のソリューション組合せ・リソース共有によるシナジー創出。市場見通しに先行した印刷拠点の統廃合の継続。リソース(拠点、人財)のDX事業へのシフト。
- 生活・産業事業:海外パッケージは地域別戦略の実行による軟包装・フィルム事業拡大。国内パッケージはSXパッケージ(GL BARRIER等)比率向上による高収益化。紙器事業の再構築実施による、全国製造拠点の再編に伴う固定費削減。低収益品の見直しによる改善。建装材はインタープリントの構造改革と成長戦略の実行。
- エレクトロニクス事業:半導体関連は中長期的に伸長する半導体市場に向けた各国の政策、サプライチェーンの変化に対応する生産体制の構築。技術開発を通じた競争優位性の獲得・維持。ディスプレイ関連は次世代ディスプレイへの移行が進む中、市場・顧客動向を見極め、業界の大きな変化に対して迅速に対応。要素技術を活用した新商材の開発。新規事業は開発プロセスの体制の強化により、継続して創出。
- 新事業:カルテデータをベースとしたデータ分析事業の確立(製薬業界、自治体、医療・健康分野)。3D細胞培養による個別化医療・創薬支援事業への参入。オンライン服薬指導プラットフォームの構築による医療DXの推進。ToFセンサー技術を活用した競争優位なデバイス事業の確立(自律型移動ロボット、産業機器向けセンサー、距離センサー搭載型カメラ)。MEA(燃料電池用膜電極接合体)の開発による燃料電池市場への参入。自社メタバースプラットフォームの構築(Miraverse、アバター統合基盤)。産業・公共向けメタバースサービス提供、BtoC領域へ拡大。
所感
同社は、今まで培った印刷テクノロジーの更なる進化とともに、先進のデジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせて、データ活用を基軸としたハイブリッドなDX事業を展開していく方針を打ち出している(同コンセプトを同社は「エルへ―トクロス」と命名)。本中期経営計画では、3か年で4,000億円の投資を計画、内1,000億円はM&A投資に充てる見通し。同社は2023年10月にホールディング体制(TOPPANホールディングス㈱)へ移行予定。社名から「印刷」の文字が消える。同社の「DX(Digital Transformation)」と「SX(Sustainable Transformation)」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーに進化する新たな挑戦が始まる。
以上
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