概要
㈱オカムラ(東証PRM7994)は、2023年5月10日、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画2025(2024年3月期~ 2026年3月期)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上高3,000億円以上(2023年3月期実績2,770億円)、営業利益240億円(同174億円)、営業利益率8.0%(同6.3%)、ROE10.0%(同8.8%)、とした。
施策
- 人財育成と働きがいの向上(キャリア形成支援と専門人財育成、働きがい改革の推進)。
- デジタル技術活用の加速(「経営」「事業」「業務」へのデジタル技術活用の加速とDX人財育成)。
- 多品種変量生産への対応(環境の変化に対応する生産システムの変革による競争優位性の維持・強化)。
- 市場に根ざした海外事業の展開(M&A 、現地有力パートナーとの提携・合弁による地産地消型事業の展開)。
- オフィス環境事業:企業の成長を支え多様な働き方に応えるソリューションの提供(働き方の研究成果とこれまでの豊富な受注実績を活かしたコンサルティング機能の更なる強化、オフィスの在り方の多様化に応えるデザイン・内装工事・DX提案の強化、リモートワークを支える製品の充実によるBtoC事業の強化、人が活きる環境へのターゲット領域の拡大)。
- 商環境事業:小売業が抱える社会課題の解決とみらいの店づくり(店舗のデザイン・内装領域の強化、冷凍・冷蔵設備の拡販と関連事業者とのアライアンス・保守サービスDX化、小売業界が抱える社会課題解決のための機能・製品・サービスの提供)。
- 物流システム事業:スマート物流に貢献する製品・サービスの開発(ロータリーラック、コンベヤ、ORV等既存主力製品の能力・汎用性の向上、ピッキングロボット他新製品・新サービスの開発、中国合弁事業の本格的立ち上げと早期黒字化)。
- パワートレーン事業:脱炭素社会に向けた産業車両用製品の開発(現在開発中の環境対応型クラッチユニットの早期販売開始、環境対応型クラッチユニットの対応分野の拡大、北米、中国を中心とするグローバルベースの顧客基盤拡大)。
所感
同社は、2023年3月期決算で売上高、営業利益、経常利益、当期純利益共に過去最高を更新するなど、業績好調。オフィス環境事業、商環境事業、物流システム事業等において時代の変化、時代のニーズに的確に対応しているとみられる。本中期経営計画期間においては、海外事業の強化が注目される。同社は、2021年9月にシンガポール拠点のデザイン会社DB&B Holdings Pte.Ltdを買収し、重点市場である中国・アセアン市場のハイエンド・マーケットへの橋頭堡を築いたが、今後は地産地消型への転換を念頭に、北米、中国、アセアン等において現地の有力事業パートナーとの提携・合弁およびM&A等で実績を残せるかが鍵となる。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事