概要
㈱安川電機(東証PRM6506)は、2023年5月16日、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「Realize25」(2023年度~2025年度)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上収益6,500億円(2023年3月期実績5,560億円)、営業利益1,000億円(同683億円)、営業利益率15.4%(同12.3%)、ROE15.0%以上(同16.2%)、ROIC15.0%以上(同14.6%)、とした。
施策
- i3-Mechatronics(integrated、intelligent、innovative、アイキューブメカトロニクス)ソリューションによる価値創出:お客さまの価値創出につながる技術開発力の強化(「安川テクノロジーセンタ」で業界をリードする製品・技術を創出し、お客さまの価値向上を実現する)。i3-Mechatronicsによる自社の「ものづくり」進化(i3-Mechatronicsソリューションを自社の生産現場で実践し、生産性向上・生産管理高度化を追求することで製品競争力向上を図る)。お客さまのサプライチェーンへの戦略的なアプローチの強化(エンドユーザや装置メーカ等のお客さまと連携強化を図り、最適なソリューションを提供するとともにビジネスの領域を拡大)。製品ライフサイクルにおける製品・サービス品質の革新(YDX(Yaskawa Digital Transformation)を通じて蓄積される膨大なデータを活用して「お客さまの設備を止めない」サービスをグローバルで展開)。
- 世界一/世界初の自動化コンポーネントを軸としたグローバル成長市場攻略:自動化コンポーネントを中心としたグローバルでの市場別戦略を展開し、最適な生産体制を構築することで、成長市場の需要を確実に捉える。拡大する需要に対して生産能力・生産性の向上を図るとともに、環境変化やリスクに強いグローバル生産体制を構築。
- メカトロニクス応用領域の事業拡大によるサステナブルな社会の実現に貢献:グリーンプロダクツの拡販によりお客さまの省エネ性向上と環境負荷軽減を実現(インバータ、ロボット、高効率モータ、マトリクスコンバータ)。新製品を軸とした事業の本格拡大、世界トップクラスの創エネを実現(パワーコンディショナ)。コア技術を結集し、食の安全と安定供給を実現(農業分野自動化、食品生産工程自動化、食物工場システム)。すべての人が人間らしく、より豊かに、輝ける未来を実現(ゲノム解析自動化、再生医療自動化)。
- YDXとサステナビリティ経営の深化による経営基盤の強化:PLM(Product Lifecycle Management)の再構築をベースとしたYDXチェーンによる新たな価値提供。
所感
同社2023年3月期業績は、ロボット事業好調等により前中期経営計画「Challenge 25 Plus」の数値目標を超過達成、売上収益、営業利益、当期利益共に過去最高を更新した。本中期経営計画では、ロボット事業が更に拡大、2026年3月期の同事業営業利益500億円とモーションコントロール事業に並ぶ。同社のソリューションコンセプトi3-Mechatronicsを中心とした事業活動は、高収益企業体質確立、新価値・市場創造に挑戦のフェーズを経て、ビジョン実現のフェーズに入っており、今後の更なる飛躍が期待される。
中期経営計画「Realize25」(2023年度~2025年度)
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所