概要
2024年7~9月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5を発表する。(選定は三澤公認会計士事務所選定委員。対象は上場企業が当該期間にプレスリリースしたM&A・アライアンス案件。)
第5位
鴻池運輸がインド鉄鋼スラグ処理のFerro Scrap Nigam Limitedの株式取得(子会社化)
鴻池運輸㈱(東証PRM9025)は、インド国営の鉄鋼スラグ処理事業会社であるFerro Scrap Nigam Limited(2024年3月期純資産4,485百万円、総資産7,698百万円、売上高7,562百万円、当期純利益1,129百万円)の株式を取得し子会社化。鴻池運輸は、Ferro Scrap Nigamのスラグ処理等の主要業務に関するノウハウを有しており、Ferro Scrap Nigamへの技術導入など鴻池運輸とのシナジー発揮を図る。インドは、現在世界第2位の粗鋼生産量(1億4千万トン(2023年実績))を誇り、2030年までに3億トンまで能力を引き上げることを政府が公表している。今後インドが世界の鉄鋼業界をけん引する国となることが見込まれており、インドにおける鉄鋼事業の基盤を構築することを目指す。
第4位
マルイチ産商が養殖魚の㈱ダイニチの株式取得(子会社化)
㈱マルイチ産商(名証MN8228)は、飼料・資材事業、水産事業、水産養殖事業を手掛ける㈱ダイニチ(2024年1月期純資産4,462百万円、総資産11,058百万円、売上高26,232百万円、営業利益1,466百万円)の株式を取得し子会社化。水産物の販売に強みを持つマルイチ産商と、国内業務筋市場と海外市場へのアクセス権を持つダイニチが手を組むことで、国内養殖ビジネスのビジネスモデルを強化し、国産養殖魚の流通に革新をもたらす。
第3位
オートバックスセブンがホンダ系ディーラーの㈱東葛ホールディングスの株式取得(子会社化)
㈱オートバックスセブン(東証PRM9832)は、四輪自動車・二輪自動車の販売・修理、自動車部品・自動車用品の販売等を手掛ける㈱東葛ホールディングス(東証STD2754、2024年3月期純資産5,308百万円、総資産7,982百万円、売上高8,539百万円、営業利益527百万円)の株式を取得し子会社化。オートバックスセブンは、現在Audi及びBYDの正規ディーラーを運営している。日本のブランドであるHonda正規ディーラー運営を開始することにより、今後のディーラー事業の更なる成長・拡大を図る。顧客のニーズと自動車産業の大きな変化を的確に捉えながら、既存のディーラーのビジネスモデルの枠組みに捉われることなく、新たなディーラーのビジネスモデルを模索し、これらに対して積極的に投資を行い、挑戦し続けること、また、これらの活動を通じて、従業員のパラダイムシフトを促し、それにより従業員の成長やエンゲージメントの向上にも繋げる。
第2位
アインホールディングスがインテリア・雑貨の㈱Francfrancの株式取得(子会社化)
㈱アインホールディングス(東証PRM9627)は、インテリア・雑貨の企画・開発・販売を手掛ける㈱Francfranc(2023年8月期純資産7,477百万円、総資産22,551百万円、売上高39,484百万円、営業利益2,568百万円)の株式を取得し子会社化。Francfrancは、20代~30代の女性を中心とする幅広い層の顧客をターゲットとした主力ブランド「Francfranc」を中心にインテリア・雑貨小売販売事業を展開。アインホールディングスが展開する「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」が、互いのプライベート商品を陳列し、顧客に対して、幅広い商品選択肢を提示することで、顧客満足度及び顧客単価の向上を狙う。「アインズ&トルぺ」と「Francfranc」の出店エリアは主要都市を中心に駅ビルや商業施設等、ターゲットが近く、店舗同士に親和性がある。大規模面積の物件への戦略的共同出店等、出店形態のバリエーションを拡大し、更なるビジネス機会の拡大を図る。
第1位
千葉銀行がAIソリューションのエッジテクノロジーの株式取得(子会社化)
㈱千葉銀行(東証PRM8331)は、AIソリューションサービス、AI教育サービス、AIプロダクトの開発販売を手掛けるエッジテクノロジー㈱(東証GRT4268、2024年4月期純資産675百万円、総資産981百万円、売上高2,862百万円、営業利益101百万円)の株式を取得し子会社化。千葉銀行は、エッジテクノロジーと手を組むことにより、One to Oneマーケティングの強化、AIによる業務改革ならびにアライアンスへの展開、AIソリューションの提供も含めた「地域まるごとDX」の推進、AI事業を核として社会課題の解決に向けたソリューション提案の強化、を図る。
2024年7~9月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5
- 第1位:千葉銀行がAIソリューションのエッジテクノロジーの株式取得(子会社化)
- 第2位:アインホールディングスがインテリア・雑貨の㈱Francfrancの株式取得(子会社化)
- 第3位:オートバックスセブンがホンダ系ディーラーの㈱東葛ホールディングスの株式取得(子会社化)
- 第4位:マルイチ産商が養殖魚の㈱ダイニチの株式取得(子会社化)
- 第5位:鴻池運輸がインド鉄鋼スラグ処理のFerro Scrap Nigam Limitedの株式取得(子会社化)
総評
2024年7~9月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングは、多彩なディールな出揃った。第1位:千葉銀行。銀行がAIソリューションを取り込み、金融事務、顧客コミュニケーション、金融サービスを一気に効率化する、極めて意欲的で革新的な取り組み。第2位:アインホールディングス。調剤薬局首位が雑貨小売りを取り込み、ビジネスフィールドと顧客基盤を拡大、商品ラインナップを強化することで顧客満足度の一層の向上を追求する。第3位:オートバックスセブン。自動車用品店首位がカーディーラーを取り込み、クロスセル等顧客提案力が飛躍的に向上、既存のカーディーラーのビジネスモデルを一新させる。第4位:マルイチ産商。水産卸が養殖魚事業者を取り込み、内陸部と沿岸部が連携する日本全国養殖魚バリューチェンが本格始動する。第5位:鴻池運輸。物流が鉄鋼関連ビジネスを取り込み、鉄鋼事業周辺のバリューチェーンを強化、鉄鋼事業に深く入り込むことで統合革新を進め、他社との圧倒的な差別化を図る。各社の取り組みは、産業界に創造という名の新風をもたらす。各社の今後の企業価値向上への取り組みと更なるM&A・アライアンス施策から目が離せない。
以上