概要
エッジテクノロジー㈱(東証GRT4268)は、2023年6月9日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
AIソリューションサービス(顧客の経営課題を元に業務分析を実施し、データ利活用によって解決可能な課題を判別して概念実証を行った後に、AIアルゴリズムを既存の業務・システムに組み込み、実装・運用するサービス)の提供、AI教育サービス(AI人材データベースを生かし、36名の経験豊富な講師陣(23年4月末時点)を揃えて、幅広く専門性の高いAI講座を開講)の提供、AIプロダクト(GeAIne(ジーン)は送信先企業のリストをアップロードするだけで、予め設定した営業文書を対象企業の問い合わせフォームに一括で自動書き込みできるサービス)の開発/販売。
強み
- AIプロジェクト管理・推進ノウハウ、AIアルゴリズム実装ノウハウ。AI技術とドメイン知識を組み合わせて専門性の高いサービスを提供。
- 実務経験豊富なフリーランスを活用することによる多種多様な顧客ニーズへの対応力。多種多様なAIプロジェクトに対応できる柔軟性と迅速にチームを拡張できるスケーラビリティ。
- 幅広い業界リーダーとの取引実績。特定顧客に依存しない分散された顧客基盤。サービスを長期利用するリカーリング型顧客が収益基盤。
中期経営計画
2024年4月期の数値目標は、売上高3,196百万円(2023年4月期実績2,663億円)、営業利益200百万円(同244百万円)、とした。
リスク
- 同社のAI関連事業については、競合他社が多数存在しているほか、新規参入事業者も多く見受けられる。資金力・ブランド力を有する大手企業の参入等、同社の競争優位性を上回る競合他社が出現した場合には、同社の業績及び事業運営に影響を与える可能性がある。
- 同社の事業拡大には、継続して優秀な人材の確保・育成が必要であり、エンジニアに限らず社員が機械学習・深層学習領域等、同社の事業ドメインであるAI領域の知識を十分に理解する事が重要となる。人材の採用、育成、定着等が計画通りに進まない場合には、同社の業績及び事業運営に影響を与える可能性がある。
- 同社のAIソリューション事業においては、業務遂行にあたってAIフリーランスとの関係は準委任契約となり、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)」、その他の関係法令に従っている。万が一法令等違反行為が発生した場合、同社の業績及び事業運営に影響を与える可能性がある。
- 同社は、業務遂行上、クライアントの機密情報、従業員などの個人情報等を保持している。万が一これらの情報漏洩事故が発生した場合には、信用失墜による収益の減少、損害賠償費用等が発生し、同社の業績及び事業運営に影響を与える可能性がある。
所感
同社は、短期的には既存事業の組織強化のため積極的な成長投資を行い、中長期的には、特定領域特化型ソリューションサービス(AIライブラリ等を活用した特定領域特化型ソリューションサービス)の開発、アルゴリズムライセンス型サービス(AIソリューションサービス・AIプロダクト共同アルゴリズムライセンス型のサービス、AI SaaS等)の開発等、新たな価値創造のため新規サービスの創出等に取り組む方針を打ち出している。M&Aによるシナジーのある事業の取得等を含め、同社の今後の更なる成長が期待される。
2023年4月期決算説明資料(事業計画及び成長可能性に関する説明資料)
以上
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