概要
グローム・ホールディングス ㈱(東証GRT8938)は、2024年6月21日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
医療関連事業、不動産関連事業。医療関連事業は以下を事業内容とする子会社4社により提供。
- グローム・マネジメント㈱:医療機関の経営・管理・運営の指導他。
- グローム・ワークサポート㈱:医療機関の人事・労務などの経営に関わる諸サービスの提供他。
- グローム・インターナショナル㈱:海外在住患者に対する国内医療機関の紹介及びオンライン診療の紹介。
- 福山医療器㈱:医療器、介護機器、介護用品、福祉用具の販売及び修理、点検。
- 不動産関連事業:商業施設の不動産賃貸事業。(今後完全撤退予定)
強み
- 医療機関に特化して総合的、重層的なサービス提供。
- 2016年以降、43医療機関をアライアンス先として獲得することにより蓄積したノウハウ。
- アライアンス先医療機関において4,974床を有する大手グループとしてのレピュテーション。
中期経営計画
2026年3月期の数値目標は、売上高3,070百万円(2024年3月期実績1,238百万円)、営業利益164百万円(同▲144百万円)、とした。
リスク
- 同社グループの役職員並びにアライアンス先医療機関の全役職員及び患者へのウィルス感染リスクがアライアンス先医療機関に影響を与える可能性。
- 医療関連事業への転換・集中を行う中で医療関連事業を計画とおりに拡大できない可能性。
- 医療行政により、さらなる医療費抑制のための施策が強化されていく可能性。
- アライアンス先医療機関に医療事故が発生し損害賠償請求や風評被害を受ける可能性。
- 医師不足、働き方改革の進展による人件費上昇にアライアンス先医療機関が対応できない可能性。
- アライアンス先医療機関の経営状況悪化等により、同社グループに貸倒損失等の損失が発生する可能性。
- 同社グループが保有する可能性のあるアライアンス先医療機関の出資持分について、経営状況の悪化等により価値が毀損する可能性。
- 既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激化する可能性。
- 専門性が高く優秀な人材を採用・育成できないことや、その流出を防止することができない可能性。
- 海外顧客を対象とした新規事業における規則違反や個人情報保護の問題並びに赤字先行による経営不安定化の可能性。
所感
同社は、グループの成長戦略として「アライアンス先医療機関が有する病床数の増加」×「提供するサービスメニューの拡大・深化」を掲げている。アライアンス先医療機関の新規獲得に注力することに加えて、ホスピス住宅事業の展開、医療機器・医療資材販売事業の規模拡大及び利益率の見直し、海外在住患者向け国内医療機関の紹介事業の売上増、海外在住患者向けオンライン診療の紹介事業の営業力強化に注力し、計画の達成を目指す。また、提供するサービスメニューの拡大として、スケールメリットを狙った医療機器、材料の購買集中や、医療機関以外へのコンサルティング業務の提供、医療施設の災害対応のための事業継続計画(BCP)作成業務、作成指導の提供、ホスピス住宅の第2号、第3号施設の着工、アライアンス先医療機関からの事務業務請負の拡大など、周辺ビジネスの重層提供にも取り組んでいる。同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆☆
以上