概要
地盤ネットホールディングス㈱(東証GRT6072、2024年3月期純資産1,256百万円、総資産1,600百万円、売上高1,877百万円、営業利益▲48百万円)と、㈱ASNOVA(東証GRT9223、2024年3月期純資産3,027百万円、総資産9,386百万円、売上高3,785百万円、営業利益349百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。
地盤ネットホールディングスの事業内容
- 地盤事業:地盤解析(住宅の地盤調査データを解析し、適正な住宅基礎仕様を判定の上、判定根拠を記載した地盤解析報告書及び判定結果を証明する地盤品質証明書を提供)、地盤調査(地盤調査を実施し、地盤調査報告書を提供)、部分転圧工事(地盤改良工事は不要だが、局所的な軟弱箇所が確認された地盤について、軟弱箇所のみを締め固める工事を提供(地盤改良工事より安価で実施可能))、その他(調査機器の販売、FC加盟料・ロイヤリティ収入、地盤安心マップPRO等)。
- BIM Solution事業:BIMによるモデリング業務、パース・ウォークスルー動画作成、地盤調査報告書や改良工事報告書等の報告書作成業務等の業務受託。
- その他事業:新築(地盤適合耐震住宅)や増改築の設計、施工および請負、設計監理、案件紹介。
ASNOVAの事業内容
- 足場レンタル事業:低中層の建物や住宅に使用される「くさび式足場」を中心に、足場施工業者などへ仮設機材をレンタル。くさび式足場は主に低層~中層建物(高さ45mまで)の工事で使用される。
想定される提携効果
- 技術の融合による新サービスの創出:地盤ネットホールディングスは、地盤調査や地盤改良に関する専門技術を有する。一方、ASNOVAは、建設業界向けの仮設資材や足場の提供を行っている。両社のノウハウを融合させることで、地盤調査結果に基づいた最適な仮設資材の提案や、地盤改良と足場設置を一体化したサービスが提供できるようになり、建設プロジェクト全体の品質向上が期待できる。
- リスク管理の強化:地盤調査に基づいたリスク評価と、仮設資材の安全管理が一体化することで、プロジェクトのリスクを効果的に管理することが可能となる。
- コスト削減と効率化:両社のリソースを共有することで、地盤改良調査から足場設置、施工までの一貫したサービス提供が可能になり、工程の無駄を省き、工期の短縮を図るなど、コスト削減と効率化が期待できる。
- 市場拡大と新規顧客の獲得:両社の顧客基盤を共有することで、新たな市場や顧客層にアプローチすることが可能となる。
所感
地盤ネットホールディングスとASNOVAが業務提携すれば、両社の強みを活かしたシナジー効果により、建設プロジェクト全体の品質向上やコスト削減・効率化が期待できる。また、両社のノウハウを融合した新サービスの創出や、技術革新が進むことで、両社の競争力が一層強化され、建設業界でのシェア拡大と新規顧客の獲得が期待できる。住宅建築の各フェーズでのニーズの掘り起こしを進める地盤ネットホールディングスと、全国各地での足場レンタル環境の整備を進めるASNOVAが連携すれば、ビジネスフィールドが一気に拡大する可能性がある。両社の今後の取り組みが大いに注目される。
以上